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愛用のペリカン万年筆、パーツ交換修理で生まれ変わる。

購入から11年目、愛用の万年筆がついに壊れました。
不具合に気づいたのはベア・ジョンソン氏来日講演時。
インクが漏れて利き手はインクに染まって真っ青。
ベアさんにも「鼻青いわよ」とキュートにご指摘を受け、
ちょっとキュンとしたのを覚えています。


過去記事▶
ベア・ジョンソン氏のエキサイティングな講演に行ってきました

万年筆のインク漏れはよく経験しましたが、
これまでとは程度が違いました。
何回拭っても水洗いしても、インクが激しく漏れる…

これは、高額な修理費を覚悟するしかありません。
学生時代よく居た街に、久しぶりに一家で出向きました。
このペンは、金ペン堂の親父さんが見立ててくれたもので
購入時に「絶対に適当な所に修理に出すんじゃないぞ」と
何回も繰り返し仰っていたからです。
私もオットも真剣に話す親父さんの顔を覚えていました。

先代の親父さんは、もう店頭には立っておらず
息子さん夫婦と思われるお二人が対応してくれました。
息子さんは私のペンを一目みるなり、「交換」と一言。
万年筆の軸のプラスチックパーツが破損し、
インク漏れを起こしているそうな。
落下などの衝撃で破損し、じわりじわりと壊れて
インクが漏れるようになったのでは、と奥さま。
…確かに、覚えがありますとも。
しかも、落下以降ペン先の調子が微妙に狂い、
以前ほどの書き味ではなくなっていました。

中軸のパーツをメーカーで交換修理し、
1ヶ月後に自宅配送してもらうことになりました。
同時に、インク入れ換えに伴う内部パーツの交換も
勧められて依頼しました。
当時最高品質だと親父さんが勧めてくれた、
ウォーターマンのブルーブラックのインク。
11年の間にメーカー側で品質が改悪されてしまい、 
現行品で最良なのはペリカンのタンザナイトだとか。

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万年筆に覚えさせるインクは1色のみ。
長く品質を保つなら、途中で色は変えないこと。
親父さんの教えが思い出されます。

インク変更のための内部部品交換、中軸の交換を依頼し、
しめて15000円となりました。
なかなか痛い出費ですが、私の大切な万年筆です。
1ヶ月後の修理完了を待ちました。



15262466860.jpeg

そして届いたのがこの万年筆。
剥き出しの状態で持ち込んだので、万年筆の保護のため
新しい化粧箱に入れられてしまいました。
緩衝材もプラスチック袋も山盛り。
しまった…廃材で包むようお願いすることを忘れました。


15262467050.jpeg

丁寧に壊れた部品にもプラスチック袋をかけてあります…
軸の空洞を覗いてみると、小さな傷がいっぱいでした。
ここからインクが漏れていたのか…


リフューズしそびれた自分の愚かさを呪いつつ、
新星ペリカン、スーベレーン800を手に取ります。
何だこの高揚感は…何だこのトキメキは…
今すぐ新しいインクで自分色に染めたい!!


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こちらは初めて購入したペリカンのタンザナイト。
厚紙2枚の中に大きなウレタンフォームの緩衝材…
インクの蓋以外にもこんなにプラスチック多用して、
果たしてゼロウェイストと言えるのかと疑問が残りますが
万年筆は使い続けたいので致し方ありません。
ウォーターマンの方が、安くて省パッケージで良かった…
インクの改悪が悔やまれます。


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万年筆を使っていて一番幸せなのは、インク注入の瞬間。
インクにどっぷりペン先を浸し、尻のノズルを回すと、
鈍い抵抗感とともにインクが内部に染み渡ります。
優しく優しくウエスでペン先を拭い、
高揚感に震える手で試し書きです。
ぬらぬらと抵抗なく、塗るようにインクが染み出します。
この感覚!!!!!
すぐに気づきました。
ペン先のわずかな不具合が解消されていたのです。
店頭には立たず、裏で調整を行っているという親父さん?
それとも二代目の息子さん?
誰かが私のペンのごくわずかな狂いに気づき、
何も言わずに直してくれたのです。


思わず電話を手に取りました。
無事に私の万年筆が届いたこと、
調整されたペン先の書き味に感動したこと、
興奮しながら、喋った喋った!
頼まれずともペン先の声を感じて抜群の状態に調整する、
まさにプロ!
密かに万年筆に魂を込めるその姿勢、かっこよすぎます!
金ペン堂、世代は変われどここにあり。


この万年筆は、私の2本目の万年筆。
1本目は先代に見立ててもらったウォーターマン。
書くという行為が娯楽に変わる万年筆の魅力にハマり、
進学と試験勉強に際してもっと楽しみながら書きたいと
かなり無理をしてこのペンを買いました。
今思うと、もっとこのペンに触っていたくて、
書きたくて書きたくて勉強していたようなものかも。
おかげで、辛い時期を愉しく乗り切ることができました。
この万年筆には、苦くも甘い思い出が
ぎっしり詰まっています。

子どもたちが居ると万年筆を手に乗せて
じっくり書き物をする時間はなかなか取れませんでしたが  
生まれ変わった万年筆ともっと戯れる時間を持ちたいと
暇さえあれば書くことを探すようになりました。

モノはただモノとしてそこにあるのではない。
魂を込めて作られ、大切に扱われるモノは
時に生活や人生を変える力を持つように思います。


半年ぶりに日記を再開することにしました。
毎日万年筆に触れる日々が戻ってきます。
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コメント

Re: No title

きゃすぴえさん、
万年筆を贈るなんて、素敵なおば様ですね!
私もいつかムスメたちに…と万年筆を見るたびに思います。確かに、抵抗なく書ける様とインクの色ムラ、毛筆そっくり!
ちょっと話が逸れますが、カートリッジ式の万年筆でも、コンバーターという部品をつければ注入式にできますよ。プラスチックの部品にスクリュー式のノズルがついていて、カートリッジのように万年筆に差し込むだけです。メーカー毎に専用のものが売られています。私の2本の万年筆は、コンバーターを買い足して注入式にしました。もし、きゃすぴえさんの万年筆がひょっこり顔を出したら、ぜひ(^^)

No title

万年筆って鉛筆やボールペンよりも素敵ですよね。インクがサラサラとよどみなくペン先から出てきて、文字も美しく見えるような。毛筆に近いような質感を感じます。この記事を読んで気がついたのは、中学入学の時に叔母に買ってもらった万年筆、大切にしていたのに、今はあれがどこにあるのやら不明なこと。カートリッジ式なので今だったら無駄なプラスティックが、、なんて言ってるかもしれませんが、どこにあるのかわからないということにショック。ぽこさんの万年筆、大切に長く使っていらっしゃるのだから、少々の包装ゴミはしょうがないです。

Re: No title

このみぼらさん、
確かに、本来なら気づかいありがとうございますと感謝して良いところですね笑っ
この箱を次回の修理用にとっておくべきか…なんて下らないことを考えてしまいます(^^)
昔から職人技や伝統技術への憧れが強く、伝統工芸品に吸い寄せられるタイプです…万年筆も、母が大切にしていた子どもには触らせてもらえないモノへの憧れから始まったのかもしれません。モノが好きなのですね、私笑っ

No title

修理されて帰ってきたときの新しい化粧箱、私だったらなんだか嬉しいと思うとこですが、そこは怒るとこだったんですね。クスッとしてしまいました。
ものを大事にする心、豊かな感性、ゼロウェイスト運動以前からずっとなんですね。

Re: No title

チルルさん、
講演もさることながら、ゼロウェイスター同志のおしゃべり、楽しかったですよねー!チルルさんの軽妙なトークの虜になった私です笑っ

Re: No title

凛子さん、
もったいないお言葉をありがとうございます。
いまいち手応えが感じられないゼロウェイストですが、ブログで話すと色々な方の声が聞こえて、ものすごく励まされます!アイデアもたくさん頂けますしね(^^)凛子さんのブログ、大好きです。

No title

顔に青いインクをつけている姿はキュートでしたよ〜。
あの日の公演日は楽しい時間でした!

No title

ぽこさんの文才のルーツがわかったような気がしました。小さいお子様を育てながら、毎日興味深い内容を楽しくわかりやすく書かれていていつも感心しています。

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プロフィール

ぽこ33

Author:ぽこ33
ゼロウェイスト(ゴミゼロ)の考え方に強く共感し、特に脱プラスチックを目指す、非オシャレ節約DIY系ゼロウェイスターです。

変態的気質を生かし、とことん泥臭いゼロウェイストを追求しています。

リアルではゼロウェイスト仲間に飢えています。ゼロウェイスターの先輩方のブログをせっせと探しては、勝手に仲間だと思っています笑
気軽にコメント頂けると、もんのすごく喜びます。

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